故に、間の用は五有り。

其十二2-1

故用閒有五。

gù yòng xián yoǔ wŭ。

解読文

①戦略、戦術において、間者の使いみちは五種類存在する。

②戦略、戦術を使う時は、秘密裏に五種類の間者が敵の実情を手に入れるのである。

③敵と馴染みの関係になることに力を尽くして、敵の隙に乗じて何度も実情を手に入れるのである。

④常日頃、間者を備えておき、五種類の使いみちに上手く適合させるのである。
書き下し文
①故に、間の用は五有り。

②故を用いるに間(ひそ)かに五は有(たも)つなり。

③故たるに用いて、間(うかが)いて五(いつ)たび有(たも)つなり。

④故(もと)より、間を有(たも)ちて、五に用いらしむなり。
<語句の注>
・「故」は①②たくらみ、③馴染み、④常日頃、の意味。
・「用」は①使いみち、②使用する、③力を尽くす、④うまく適合する、の意味。
・「間」は①スパイ、②秘密裏に、③隙に乗じる、④スパイ、の意味。
・「有」は①事物が存在する、②③手に入れる、④備える、の意味。
・「五」は①②数の名、③何度も、④数の名、の意味。
<解読の注>
・この句は中國哲學書電子化計劃「銀雀山漢墓竹簡(孫子)」の原文に従うが、孫子(講談社)の原文とも一致する。
・この句には四通りの書き下し文と解読文がある。①②③④と付番して、それぞれについて解説する。

<①について>
・特に無し。

<②について>
・「五」は、①「五」で記述された「間者の使いみちは五種類」を指示する代名詞と解釈。ここでは話の流れに合わせて「五種類の間者」と解読。

・「有」の“手に入れる”は、其十二1-6②「敵自身から敵の実情を教えてもらう」で記述された「敵の実情」を手に入れることと考察。結果、「敵の実情を手に入れる」と解読。③も同様。

<③について>
・特に無し。

<④について>
・「五」は、①「五」で記述された「間者の使いみちは五種類」を指示する代名詞と解釈。ここでは話の流れに合わせて「五種類の使いみち」と解読。

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