孫子曰く、凡そ、軍は敵を相て処するなり。

其九1-1

孫子曰、凡處軍相敵。

sūn zhī yuē、fán chù jūn xiàng dí。

解読文

孫先生が言うには、

①一般的に、軍事は敵を観察して決断するのである。

②平凡な将軍は、敵軍を落ち着かせる軍事を選択するのである。

③敵は、元敵里等に駐屯してその人民と共に生活しながら観察するのである。

④陣地にした元敵里等の人民と力を合わせて敵軍に歯向かう軍事を措置するのである。
書き下し文
孫子曰く、

①凡そ、軍は敵を相(み)て処するなり。

②凡なるものは、敵の処(お)る軍を相(えら)ぶなり。

③敵は、凡(はん)に軍して処(お)りて相(み)るなり。

④凡(はん)と相(あ)い敵する軍を処(しょ)するなり。
<語句の注>
・「凡」は①一般的に、②傑出せずに普通であるさま、③俗世、④俗世間の人、の意味。
・「処」は①決断する、②落ち着かせる、③ともに生活する、④措置する、の意味。
・「軍」は①②軍事、③駐屯する、④軍事、の意味。
・「相」は①観察する、②選択する、③観察する、④力を合わせて、の意味。
・「敵」は①②③戦争や競争で対抗する相手、④歯向かう、の意味。
<解読の注>
・この句は中國哲學書電子化計劃「銀雀山漢墓竹簡(孫子)」の原文に従うが、孫子(講談社)の原文とも一致する
・この句には四通りの書き下し文と解読文がある。①②③④と付番して、それぞれについて解説する。

<①について>
・特に無し。

<②について>
・特に無し。

<③について>
・「凡」の“俗世”は、其一2-5④「地」の「敵国の町、村、里、集落」を指すと考察。ここでは自軍が奪い取って統治した後の文意と解釈し、「元敵里等」と解読。

<④について>
・「凡」の“俗世間の人”の“俗世間”は、③「凡」の「陣地にした元敵里等」を指すと考察。結果、「陣地にした元敵里等の人民」と解読した。

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