勝つ兵は朱を称りて洫を以いる如く、敗れる兵は洫に称う朱を以う如し。

其四4-4

勝兵如以洫稱朱、敗兵如以朱稱洫。

shèng bīng rú yǐ xù chēng zhū、baì bīng rú yǐ zhū chēng xù。

解読文

①敵軍を抑える戦略、戦術は、赤い顔料を計量して用水路に流れている大量の水を使うに等しく敵軍の最大規模を把握した上でどんどん兵士数が増えていく軍隊を使うのであり、負ける戦略、戦術は用水路に流れている水量に釣り合う赤い顔料の量を考えるに等しく敵軍の軍隊規模がわかっていない状態にも関わらず兵士数が減っていくしかない軍隊を使うのである。

②敵軍の最大規模を把握できている状態であっても軍隊の兵士数が減っていくしかない状態で戦地に至れば自軍は戦う前から敗北した状態になり、兵士数が減っていくしかない正攻法部隊を使って軍隊規模がわからない敵軍を思い通りに操るようにすれば奇正の戦術は失敗となる。

③兵士数がどんどん増えていく軍隊を使って兵士数が減っていくしかない敵軍を思うままに操るようにすれば敵軍を抑えるのであり、兵士数が減らない正攻法部隊で敵軍を思うままに操って獲物となる敵部隊が出現した時に奇策部隊が出撃するに及べばその敵部隊を打ち負かすのである。

④獲物となる敵部隊を思うままに操って奇策部隊が出撃してその敵兵全てを攻め取るに及べば自軍は敵軍よりも兵士数を増やすのであり、赤い顔料と耕作地にある用水路の水の重さを量らせるに等しく、増えることがない敵国での収入とどんどん増える自国での収入を比較させて攻め取った敵部隊を自国に寝返らせて採用するのである。

⑤自国に服従した元敵部隊は兵士数が減らない正攻法部隊に採用して従わせれば自軍が優勢になるのであり、赤い顔料と耕作地にある用水路の水の重さを量らせるに等しく兵士数が減るしかない敵軍とどんどん兵士数が増える自軍を比較させれば敵軍は士気が殺がれると考えるのである。

⑥兵士数が減るしかない敵軍の士気を殺いだ状態にして敵軍を思うままに操るようにすれば敵軍を抑えるのであり、赤い顔料と耕作地にある用水路の水の重さを量らせるに等しく士気が下がるしかない敵軍とどんどん士気が旺盛になる自軍を比較させて敵軍を崩れた状態に至らせるのである。

⑦兵士数が減るしかない軍隊を使って兵士数がどんどん増えていく相手軍を思うままに操ろうとするような戦略、戦術が駄目になって、士気が下がって崩れた状態で逃げ出す兵士達が出現している敵軍に呼び掛けて、敵軍が既に滅ぼされた状態に至ったことを敵将軍に認めさせるのである。

⑧自軍が到着した時は貧しくなっていく敵国の里等であっても、自国に服従させてどんどん豊かさが増えていく政策を実行する自軍の権勢は敵軍を越えるのであり、赤い顔料と耕作地にある用水路の水の重さを量らせるに等しく領地が減るしかない敵国とどんどん陣地が増える自国を比較させれば敵国を敗北させ、戦争を終えるのである。
書き下し文
①勝つ兵は朱(しゅ)を称(はか)りて洫(みぞ)を以(もち)いる如く、敗れる兵は洫(みぞ)に称(かな)う朱(しゅ)を以(おも)う如し。

②朱(しゅ)を称(はか)るも洫(みぞ)を以(や)めるに如(ゆ)けば兵は勝(しょう)たり、朱(しゅ)を以(もち)いて洫(みぞ)を称(あ)げる如くすれば兵は敗たり。

③洫(みぞ)を以(もち)いて朱(しゅ)を称(あ)げる如くすれば兵に勝つなり、洫(みぞ)は称(あ)げて朱(しゅ)あるに以(な)すに如(し)けば兵を敗(やぶ)るなり。

④朱(しゅ)を称(あ)げること以(な)して洫(むな)しくするに如(し)けば兵は勝(まさ)るなり、朱(しゅ)と洫(みぞ)を称(はか)らしむ如くして兵を敗(やぶ)らしめて以(もち)いるなり。

⑤称(かな)う朱(しゅ)を洫(みぞ)に以(もち)いて如くせしめば兵は勝(まさ)るなり、朱(しゅ)と洫(みぞ)を称(はか)る如くすれば兵は敗(やぶ)れると以(おも)うなり。

⑥朱を洫(むな)しくするに以(およ)びて称(あ)げる如くすれば兵に勝つなり、朱(しゅ)と洫(みぞ)を称(はか)らしむ如くして兵を敗たるに以(およ)ばしむなり。

⑦朱(しゅ)を以(もち)いて洫(みぞ)を称(あ)げる如き兵は敗(やぶ)れて、洫(むな)しくする朱に称(とな)えて、兵の勝(しょう)に如(ゆ)くこと以(おも)わしむなり。

⑧如(ゆ)くに朱(しゅ)なるも、称(かな)わしめて洫(みぞ)を以(な)す兵は勝(まさ)るなり、朱(しゅ)と洫(みぞ)を称(はか)らしむ如くすれば敗たらしめ、兵は以(や)むなり。
<語句の注>
・「勝」は①抑える、②既に滅ぼされたさま、③抑える、④越える、⑤越える、⑥抑える、⑦既に滅ぼされたさま、⑧越える、の意味。
・1つ目の「兵」は①戦略、戦術、②③④⑤⑥⑦⑧軍隊、の意味。
・1つ目の「如」は①等しくする、②至る、③~のようにする、④及ぶ、⑤従う、⑥~のようにする、⑦⑧至る、の意味。
・1つ目の「以」は①使用する、②留める、③使用する、④事を行う、⑤採用する、⑥押し及ぶ、⑦認める、⑧事を行う、の意味。
・1つ目の「洫」は①②③耕作地の用水路、④空にする、⑤耕作地の用水路、⑥⑦空にする、⑧耕作地の用水路、の意味。
・1つ目の「称」は①②重さを量る、③④其四4-2①「称」、⑤適合する、⑥其四4-2①「称」、⑦呼びかける、⑧適合する、の意味。
・1つ目の「朱」は①②③④⑤⑥⑦⑧赤い顔料、の意味。
・「敗」は①負ける、②失敗、③打ち負かす、④背く、⑤萎む、⑥崩れているさま、⑦腐る、⑧敗北、の意味。
・2つ目の「兵」は①戦略、戦術、②戦術、③④⑤⑥軍隊、⑦戦略、戦術、⑧戦争、の意味。
・2つ目の「如」は①等しくする、②~のようにする、③及ぶ、④⑤等しくする、⑥等しくする、⑦~のようである、⑧等しくする、の意味。
・2つ目の「以」は①考える、②使用する、③事を行う、④⑤採用する、⑥押し及ぶ、⑦使用する、⑧終える、の意味。
・2つ目の「朱」は①②③④⑤⑥⑦⑧赤い顔料、の意味。
・2つ目の「称」は①つり合う、②③其四4-2①「称」、④⑤⑥重さを量る、⑦其四4-2①「称」、⑧重さを量る、の意味。
・2つ目の「洫」は①②③④⑤⑥⑦⑧耕作地の用水路、の意味。
<解読の注>
・孫子(講談社)の原文は「勝兵如以鎰稱銖、敗兵如以銖稱鎰。」と「洫」を「鎰」、「朱」を「銖」とするが、中國哲學書電子化計劃「銀雀山漢墓竹簡(孫子)」の原文に従った。
・この句には八通りの書き下し文と解読文がある。①②③④⑤⑥⑦⑧と付番して、それぞれについて解説する。

<①について>
・二つの「洫」は“耕作地の用水路”の意味を採用しており、用水路の水は流れているため、その水量を量ることはできない。また、量ることができないほどの水量は一カ所で溜めながら常に増えていくため、使って減ってもすぐに水量が戻る。これが用水路の特徴である。
そして、孫子兵法における「水」は「人民(兵士)」の喩えであることから、「軍隊の兵士数がどんどん増えていく状態」又は「(どんどん増えて)軍隊規模がわからない状態」を表現していると考察。

・二つの「朱」の“赤い顔料”は、「洫」との対比によって、その分量は計量できるほど少ないことが特徴と言える。また、当時の顔料は貴重な品物と推察できるため、容易には分量を増やすことはできないと言える。そのため、顔料は減っていくしかないのである。つまり、最初に顔料を計量すれば、顔料の最大量を把握したことになる。
これを軍隊に置き換えれば、「軍隊の最大規模を把握できている状態」又は「軍隊の兵士数が減っていくしかない状態」を表現していると考察。
蛇足だが、「どんどん兵士数が増えていく軍隊」は、奇策部隊が敵を攻め取って自軍に寝返らせた結果起こる現象を指すと考察。つまり、其二4-2①「敵を抑えて自軍の強大さが増加する」を実現した結果、自軍と敵軍に生じる現象を喩えていると解釈できる。

・「朱を称りて洫を以いる」の直訳は“赤い顔料を計量して用水路に流れている大量の水を使う”となる。これを軍隊に置き換えると「敵軍の最大規模を把握した上でどんどん兵士数が増えていく軍隊を使う」となる。

・「洫に称う朱を以う」の直訳は“用水路に流れている水量に釣り合う赤い顔料の量を考える”となる。これを軍隊に置き換えると「敵軍の軍隊規模がわかっていない状態にも関わらず兵士数が減っていくしかない軍隊を使う」となる。

<②について>
・「勝」の“既に滅ぼされたさま”は、既に敵に滅ぼされた状態に等しいことと解釈し、「戦う前から敗北した状態」と解読。

・「朱を称るも洫を以める」の直訳は“赤い顔料を計量しても用水路の水を止める”となる。これを「解読の注」①で解説した軍隊の状態に置き換えると「敵軍の最大規模を把握できている状態であっても軍隊の兵士数が減っていくしかない状態になる」となる。なお、「洫を以める」は“耕作地の用水路”であることを留めるのため、「軍隊の兵士数がどんどん増えていく状態」の逆と考察。つまり、「朱を称る」と等しいと解釈し、「軍隊の兵士数が減っていくしかない状態」と解読した。

・2つ目の「兵」の“戦術”は、「称」を「(敵軍を)思うままに操る」が共通している其四4-2④「正攻法部隊は敵軍を思うままに操ると言い、奇策部隊は誘導された敵部隊を打ち破ると言う」に基づき、「奇正の戦術」と補って解読。

・「朱を以いて洫を称げる」は、「称」を「(敵軍を)思うままに操る」と解釈すれば、“耕作地の用水路を思い通りに操ろうとして赤い顔料を使う”となる。これが「奇正の戦術」であることを踏まえて、「解読の注」①で解説した軍隊の状態に置き換えると「兵士数が減っていくしかない正攻法部隊を使って軍隊規模がわからない敵軍を思い通りに操る」となる。

<③について>
・「洫を以いて朱を称げる」は、「称」を「(敵軍を)思うままに操る」と解釈すれば、“耕作地の用水路を使って赤い顔料を思い通りに操る”となる。これを「解読の注」①で解説した軍隊の状態に置き換えると「兵士数がどんどん増えていく軍隊を使って兵士数が減っていくしかない敵軍を思うままに操る」となる。

・「洫は称げて朱あるに以す」は、「称」を「(敵軍を)思うままに操る」と解釈し、「解読の注」①で解説した軍隊の状態に置き換えると“兵士数がどんどん増えていく軍隊は敵軍を思うままに操って兵士数が減っていくしかない軍隊が出現すれば事を行う”となる。これは奇正の戦術を説いていると解釈すれば、“兵士数がどんどん増えていく軍隊”は言い換えれば“兵士数が減らない軍隊”であるため「兵士数が減らない正攻法部隊」、“兵士数が減っていくしかない軍隊”は奇策部隊が攻め取って兵士数が減る敵部隊であるため「獲物となる敵部隊」と解読でき、“事を行う”は奇正の戦術を実行することとわかる。結果、「兵士数が減らない正攻法部隊で敵軍を思うままに操って獲物となる敵部隊が出現した時に奇策部隊が出撃する」と解読。
蛇足だが、「兵士数が減らない正攻法部隊」は、其五2-4③「正攻法部隊の中で消耗した部隊が生じた時は戦線から離脱させて兵士達を回復させて立て直し、正攻法部隊を構成する各部隊から適切な部隊を正確に判断して戦線に出す」を実践するのだと考察できる。

<④について>
・「朱を称げること以して洫しくする」は、「朱」は③「獲物となる敵部隊」、「称」は「(敵軍を)思うままに操る」、「以」は「奇策部隊が出撃する」ことと解釈すると“獲物となる敵部隊を思うままに操って奇策部隊が出撃して空にする”となる。“空にする”は、「獲物となる敵部隊」の敵兵全員を攻め取ることと考察すれば、「獲物となる敵部隊を思うままに操って奇策部隊が出撃してその敵兵全てを攻め取る」と解読。

・「勝」の“越える”は、奇正の戦術によって自軍の兵士数を増やす記述であるため、自軍の兵士数が敵軍を越えることと解釈できる。結果、「敵軍よりも兵士数を増やす」と解読。⑤も同様に解読。

・「朱と洫を称らしむ如く」の直訳は“赤い顔料と耕作地にある用水路の水の重さを量らせるに等しく”となる。増えることがない顔料と増え続ける水の重さを量れば、仮に最初は水の重さの方が小さくても、いずれは水の方が重くなる。この“重さ”は、奇策部隊が攻め取った敵部隊を自国に寝返らせるために記述された喩えであるため、“収入”を指すと考察。結果、「赤い顔料と耕作地にある用水路の水の重さを量らせるに等しく増えることがない敵国での収入とどんどん増える自国での収入を比較させる」と解読。

・2つ目の「兵」の“軍隊”は、奇策部隊が攻め取った「獲物となる敵部隊」と考察。結果、「攻め取った敵部隊」と解読。

<⑤について>
・1つ目の「称」の“適合する”は、④「攻め取った敵部隊を自国に寝返らせて採用する」から話が続いていると考察すれば、「自国に服従する」と解読できる。⑧も同様に解読。

・1つ目の「朱」の“赤い顔料”は、④2つ目の「兵」の「攻め取った敵部隊」を指すと考察し、簡潔に「元敵部隊」と解読。

・1つ目の「洫」の“耕作地の用水路”は、③2つ目の「洫」の「兵士数が減らない正攻法部隊」を指すと考察し、「兵士数が減らない正攻法部隊」と解読。

・「勝」の“越える”は、自軍が敵軍よりも優勢になった状態を指すと考察し、「(自軍が)優勢になる」と解読。

・「朱と洫を称らしむ如く」の直訳は“赤い顔料と耕作地にある用水路の水の重さを量らせるに等しく”となる。増えることがない顔料と増え続ける水の重さを量れば、仮に最初は水の重さの方が小さくても、いずれは水の方が重くなる。この“重さ”は、自軍の兵士数が増えていく記述を踏まえると“軍隊規模”を指すと解釈。結果、「赤い顔料と耕作地にある用水路の水の重さを量らせるに等しく兵士数が減るしかない敵軍とどんどん兵士数が増える自軍を比較させる」と解読。

・「敗」の“萎む”は、其七6-2②「夕暮れ時の殺がれた士気は既に敗北した状態」になると考察し、「兵は敗れる」で「敵軍は士気が殺がれる」と解読。

<⑥について>
・「朱を洫しくするに以びて称げる」は、「朱」は「兵士数が減るしかない敵軍」、「称」は「(敵軍を)思うままに操る」と解釈すると“兵士数が減るしかない敵軍を空にするに至って思うままに操る”となる。この“空にする”は⑤「敵軍は士気が殺がれる」の状態を指すと考察し、「士気を殺ぐ」と解読。結果、「兵士数が減るしかない敵軍の士気を殺いだ状態にして敵軍を思うままに操る」となる。なお、これは「敵軍の虚」を作り出したとも言えることを補足しておく。

・「朱と洫を称らしむ如く」の直訳は“赤い顔料と耕作地にある用水路の水の重さを量らせるに等しく”となる。増えることがない顔料と増え続ける水の重さを量れば、仮に最初は水の重さの方が小さくても、いずれは水の方が重くなる。この“重さ”は、敵軍の士気を殺いだ状態にする記述を踏まえると“士気の状態”を指すと解釈。結果、「赤い顔料と耕作地にある用水路の水の重さを量らせるに等しく士気が下がるしかない敵軍とどんどん士気が旺盛になる自軍を比較させる」と解読。

<⑦について>
・「洫しくする朱」は、「朱」は「兵士数が減るしかない敵軍」と解釈すれば、“空になった兵士数が減るしかない敵軍”となる。“空になった”は、⑥「士気が下がるしかない敵軍とどんどん士気が旺盛になる自軍を比較させて敵軍を崩れた状態に至らせる」を指すと考察し、「士気が下がって崩れた状態」と解釈。さらに「兵士数が減るしかない敵軍」は、其十一5-5⑦「羊が苦痛から逃げ出す道理」が働いて逃げ出す兵士が出現しているのだと推察できる。結果、「士気が下がって崩れた状態で逃げ出す兵士達が出現している敵軍」と解読。

・「朱を以いて洫を称げんとする」は、「朱」は「兵士数が減るしかない軍隊」、「洫」は「兵士数がどんどん増えていく軍隊」、「称」は「(敵軍を)思うままに操る」と解釈すると“兵士数が減るしかない軍隊を使って兵士数がどんどん増えていく軍隊を思うままに操ろうとする”となる。結果、「兵士数が減るしかない軍隊を使って兵士数がどんどん増えていく相手軍を思うままに操ろうとする」と解読。

・「敗」の“腐る”は、戦略、戦術が腐って使えなくなることと考察し、「戦略、戦術が駄目になる」と解読。

<⑧について>
・1つ目の「洫」の“耕作地の用水路”は、「水」を「豊かさ」と仮定すれば「どんどん豊かさが増えていくもの」となる。次に、1つ目の「朱」の“赤い顔料”を「豊かさ」の視点で解釈すると、“豊かさが限られており増えることがないもの”であり、言い換えれば「貧しくなっていく敵国の里等」と言える。この二点の解釈より、自軍が奪い取っていく敵国の里等の「豊かさ」について説くと推察できる。そのため、「朱なるも、称わしめて洫を以す」は、「貧しくなっていく敵国の里等であっても、自国に服従させてどんどん豊かさが増えていく政策を実行する」と解読できる。

・「勝」の“越える”は、其七4-3①「敵里を奪い取れば多人数の正攻法部隊に割り当て、陣地を開拓して統治して兵糧と飼料を各部隊に配分するのであり、開拓した陣地を繋ぎ止めて全軍の権勢が生じれば、自軍が行動し始めた時、敵軍に危険を感じさせることができるのである」を実現した結果と考察し、「自軍の権勢が敵軍を越える」と解読。

・「朱と洫を称らしむ如く」の直訳は“赤い顔料と耕作地にある用水路の水の重さを量らせるに等しく”となる。増えることがない顔料と増え続ける水の重さを量れば、仮に最初は水の重さの方が小さくても、いずれは水の方が重くなる。敵国を敗北させる記述が続くことを踏まえると、敵国の里等を奪い取って陣地にしく軍争を説くと考察できるため、この“重さ”は“領地、陣地の規模”を指すと解釈。結果、「赤い顔料と耕作地にある用水路の水の重さを量らせるに等しく領地が減るしかない敵国とどんどん陣地が増える自国を比較させる」と解読。

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