然えて衛る者は、山の蛇たれば恒たるなり。其の首を撃てば則ち尾は至りて、其の尾を撃てば首は至り、其の中の身を撃てば則ち首と尾は俱に至るなり。

其十一4-2

衛然者、恆山之蛇也、擊其首則尾至、擊其尾則首至、擊其中身則首尾俱至。

wèi rán zhě、héng shān zhī shé yĕ。jī qí shoǔ zé wĕi zhì、jī qí wĕi zé shoǔ zhì、jī qí zhōng shēn zé shoǔ wĕi jù zhì。

解読文

①火災のようにどんどん攻め込む正攻法部隊は、山にいる蛇となれば安定するのである。敵が頭を叩けばしっぽが来て、敵がしっぽを叩けば頭が来て、敵が真ん中の胴体を叩けば頭としっぽが揃って来るのである。

②敵軍が自軍の前方部隊を攻めれば後方部隊が援護に行き、敵軍が自軍の後方部隊を攻めれば前方部隊が援護に行き、敵軍が真ん中にある本隊を攻めれば前方部隊と後方部隊が揃って援護に行くのである。そうして防御する正攻法部隊は、いつまでも山のように動かない敵軍に、蛇の道理を働かせるのである。

③敵軍の前方部隊を攻めれば後方部隊が援護に来て、敵軍の後方部隊を攻めれば前方部隊が援護に来て、敵軍の真ん中にある本隊を攻めれば前方部隊と後方部隊が揃って援護に来るのである。火災のようにどんどん攻め込む正攻法部隊は、動かない敵軍に蛇の道理を働かせることで、山のように静止したまま動かず隠れている奇策部隊がいる場所に行かせるのである。

④敵軍に蛇の道理を働かせる将軍は、奇策部隊を幅広い範囲に配置して隠れさせるのであり、火災のようにどんどん攻め込む正攻法部隊を使って、敵軍の前方部隊に蛇の道理を働かせた時は援護に来る後方部隊を奇策部隊に攻め取らせるのであり、敵軍の後方部隊に蛇の道理を働かせた時は援護に来る前方部隊を奇策部隊に攻め取らせるのであり、敵軍の真ん中にある本隊に蛇の道理を働かせた時は援護に来る前方部隊と後方部隊の全てを奇策部隊に攻め取らせるのである。

⑤連続して奇策部隊を出現させて敵軍に蛇の道理を働かせる将軍は、火災のようにどんどん攻め込む正攻法部隊が、敵軍の前方部隊を攻めるやいなや大いに後方部隊を奇策部隊に攻めさせるのである。このように周到に行き届いて前方部隊と後方部隊に蛇の道理を働かせるのであり、大いに前方部隊と後方部隊を引き離すやいなや敵軍の真ん中にある本隊を奇策部隊に攻め取らせるのである。

⑥そうして奇策部隊が次々と出現して敵部隊を攻め取れば、その敵部隊に蛇の道理を働かせるのである。敵部隊の隊長に蛇の道理を働かせて援護に来る末端兵士を攻め取るのであり、敵部隊の末端兵士に蛇の道理を働かせて援護に来る隊長を攻め取るのであり、大いに隊長と末端兵士を引き離すやいなや敵部隊の一般兵士を攻め取るのである。

⑦そうして奇策部隊は次々と出現して攻め取った敵兵達を養うのであり、生きたまま敵を取得する間者は蛇の道理を働かせるのである。敵部隊の隊長を自国に寝返らせれば末端兵士は大いにお手本にするのであり、敵部隊の末端兵士を自国に寝返らせたならば隊長は降伏するのであり、周到に行き届いて隊長と末端兵士を引き離したならば敵部隊の一般兵士は自国に寝返るのである。

⑧しかしながら、攻め取った敵兵達の中に、敵国に服従し続ける敵兵が存在すれば、生きたまま敵を取得する間者が蛇の道理を働かせても、その敵兵の心は山のように動かないのである。敵国に服従し続ける敵兵が隊長であれば戦争が無くなる意義を伝えて自国に寝返らせるのであり、敵国に服従し続ける敵兵が末端兵士であれば大いに真心のある法規や決まりを顕示して自国に寝返らせるのであり、敵国に服従し続ける敵兵が一般兵士であれば真心のある法規や決まりと戦争が無くなる意義を一緒に顕示して自国に寝返らせるのである。
書き下し文
①然(も)えて衛(まも)る者は、山の蛇たれば恒(こう)たるなり。其の首を撃てば則ち尾は至りて、其の尾を撃てば首は至り、其の中の身を撃てば則ち首と尾は俱(とも)に至るなり。

②其の首を撃てば則ち尾は至りて、其の尾を撃てば則ち首は至りて、其の中の身を撃てば則ち首と尾は俱(とも)に至るなり。然(しか)して衛(まも)る者は、恒(つね)に山なる之を蛇たらしむなり。

③其の首を撃てば則ち尾は至りて、其の尾を撃てば首は至りて、其の中の身を撃てば則ち首と尾は俱(とも)に至るなり。然(も)えて衛(まも)る者は、恒(こう)なるものを蛇たらしめて、山に之(いた)らしむなり。

④之を蛇たらしむ者は、山を恒(あまね)くするなり、然(も)える衛(まも)りをして、其の首に則(そく)なすに至る尾を撃(げき)せしむなり、其の尾に則(そく)なすに至る首を撃(げき)せしむなり、其の中の身に則(そく)なすに至る首と尾を俱(とも)に撃(げき)せしむなり。

⑤恒(わた)る山あらしめて之を蛇たらしむ者は、然(も)える衛(まも)りの其の首を撃ちて則ち至って尾を撃たしむなり。其れ至りて首と尾に則(そく)なすなり、至って首と尾を俱(とも)にして則ち其の中の身を撃(げき)せしむなり。

⑥然(しか)して山の衛(まも)りを恒(こう)すれば、之は蛇たらしむなり。其の首に則(そく)なして至る尾を撃(げき)するなり、其の尾に則(そく)なして至る首を撃(げき)するなり、至って首と尾を俱(とも)にして則ち其の中なる身を撃(げき)せしむなり。

⑦然(しか)して山は恒(こう)する者を衛(いとな)むなり、之は蛇たらしむなり。其の首を撃たしめば尾は至って則(のっと)るなり、其の尾を撃たしめば則ち至りは首(しゅ)するなり、至りて首と尾を俱(とも)にすれば則ち其の中なる身を撃つなり。

⑧然(しか)れども、衛(まも)りに、恒(つね)にする者あれば、之は蛇たらしむも山たるなり。其の首なれば則ち至る尾に撃たしむなり、其の尾なれば至って則(そく)を首(あらわ)して撃たしむなり、其の中なる身なれば則(そく)と至る尾を俱(とも)に首(あらわ)して撃たしむなり。
<語句の注>
・「衛」は①②③防ぐ、④⑤⑥守備兵、⑦養う、⑧守備兵、の意味。
・「然」は①火がつく、②そうして、③④⑤火がつく、⑥⑦そうして、⑧しかしながら、の意味。
・「者」は①②③④⑤助詞「もの」、⑥仮定表現の助詞、⑦⑧助詞「もの」、の意味。
・「恒」は①安定しているさま、②いつまでも、③維持して変わらないさま、④広く植える、⑤連続する、⑥⑦上弦の月がだんだんと満ちてゆく、⑧持続させる、の意味。
・「山」は①②陸地の隆起し高くそびえたった所(山)、③④⑤⑥⑦其七4-2①「山」、⑧陸地の隆起し高くそびえたった所(山)、の意味。
・「之」は①助詞「の」、②彼ら、③ある地点や事情に達する、④⑤⑥代名詞、⑦⑧彼、の意味。
・「蛇」は①②③④⑤⑥⑦⑧爬虫類のヘビの総称、の意味。
・「也」は①②③④⑤⑥⑦⑧断定の語気、の意味。
・1つ目の「撃」は①たたく、②③攻める、④強奪する、⑤攻める、⑥強奪する、⑦⑧断ち切る、の意味。
・1つ目の「其」は①②③④⑤⑥⑦⑧敵の代名詞、の意味。
・1つ目の「首」は①動物などの頭、②③④⑤前、⑥⑦⑧先頭に立つ人物、の意味。
・1つ目の「則」は①②③~ならば、④道理、⑤~するやいなや、⑥道理、⑦模範とする、⑧~ならば、の意味。
・1つ目の「尾」は①しっぽ、②③④⑤後ろ、⑥⑦末端、⑧終わり、の意味。
・1つ目の「至」は①来る、②行きつく、③④来る、⑤大いに、⑥来る、⑦大いに、⑧達する、の意味。
・2つ目の「撃」は①叩く、②③攻める、④強奪する、⑤⑥攻める、⑦⑧断ち切る、の意味。
・2つ目の「其」は①②③④敵の代名詞、⑤このように、⑥⑦⑧敵の代名詞、の意味。
・2つ目の「尾」は①しっぽ、②③④⑤後ろ、⑥⑦⑧末端、の意味。
・2つ目の「則」は①②③~ならば、④⑤道理、⑥⑦~ならば、⑧決まり、の意味。
・2つ目の「首」は①動物などの頭、②③④⑤前、⑥先頭に立つ人物、⑦降伏する、⑧顕示する、の意味。
・2つ目の「至」は①来る、②行きつく、③④来る、⑤周到に行き届いたさま、⑥来る、⑦極点、⑧大いに、の意味。
・3つ目の「撃」は①叩く、②③攻める、④⑤⑥強奪する、⑦⑧断ち切る、の意味。
・3つ目の「其」は①②③④⑤⑥⑦⑧敵の代名詞、の意味。
・「中」は①②③④⑤二つのものの間、⑥⑦⑧普通の、の意味。
・「身」は①人や動物の胴体、②③④⑤ものの主要部分、⑥⑦⑧地位、の意味。
・3つ目の「則」は①②③~ならば、④道理、⑤⑥~するやいなや、⑦~ならば、⑧決まり、の意味。
・3つ目の「首」は①動物などの頭、②③④⑤前、⑥⑦先頭に立つ人物、⑧顕示する、の意味。
・3つ目の「尾」は①しっぽ、②③④⑤後ろ、⑥⑦末端、⑧終わり、の意味。
・「倶」は①②③揃って、④全て、⑤⑥⑦連れ立つ、⑧一緒に、の意味。
・3つ目の「至」は①来る、②行きつく、③④来る、⑤⑥大いに、⑦周到に行き届いたさま、⑧達する、の意味。
<解読の注>
・孫子(講談社)の原文は「率然者、恆山之蛇也。擊其首則尾至、擊其尾則首至、擊其中身則首尾俱至。」として「衛」を「率」とするが、中國哲學書電子化計劃「銀雀山漢墓竹簡(孫子)」の原文を採用した。
・この句には八通りの書き下し文と解読文がある。①②③④⑤⑥⑦⑧と付番して、それぞれについて解説する。

<①について>
・「然えて衛る者」の直訳は“火がついて防ぐ者”となる。これは、其十一4-1⑤「衛りをして然やす如くする」の「防御する正攻法部隊を使って、火災のようにどんどん攻め込んで敵の逃げ場を奪い取って誘導していく」同様に解釈。結果、話の流れに合わせて「火災のようにどんどん攻め込む正攻法部隊」と解読。③も同様に解読。

・「中」の“二つのものの間”は、「首」の“頭”と「尾」の“しっぽ”の間と考察した上で、簡潔に「真ん中」と解読。②も同様に解読。

<②について>
・1つ目と2つ目と3つ目の「首」の“前”は、解読文①より自軍全体を「蛇」に喩えたことを踏まえれば、「前方部隊」と解読できる。③④⑤も同様に解読。

・1つ目と2つ目と3つ目の「尾」の“後ろ”は、解読文①より自軍全体を「蛇」に喩えたことを踏まえれば、「後方部隊」と解読できる。③④⑤も同様に解読。

・1つ目と2つ目と3つ目の「至」の“行きつく”は、前方部隊や後方部隊が攻められた場所に援護しに行くことと考察。結果、「援護に行く」と補って解読。

・「中の身」は、「中」を「真ん中」と解釈すれば“真ん中の主要部分”となる。これは、前方部隊や後方部隊との対比を考慮すれば将軍等がいる本隊と解釈できる。結果、「真ん中にある本隊」と解読。③④⑤も同様に解読。

・「衛る者」の直訳は“防ぐ者”となる。これは蛇の道理によって防御する正攻法部隊を指すと考察。結果、「防御する正攻法部隊」と解読。

・「恒に山なる之」の直訳は“いつまでも山である彼ら”となる。これは動かない敵軍の喩えと考察。結果、「いつまでも山のように動かない敵軍」と解読。

・「蛇たらしむ」の直訳は“蛇とならせる”となる。これは敵軍に蛇の道理を働かせることと考察。結果、「蛇の道理を働かせる」と解読。③④⑤⑥⑦⑧も同様に解読。

<③について>
・1つ目と2つ目と3つ目の「至」の“来る”は、前方部隊や後方部隊が攻められた場所に援護しに行くことと考察。結果、「援護に来る」と補って解読。④も同様に解読。

・「恒なるもの」の直訳は“維持して変わらない者”となる。これは②「いつまでも山のように動かない敵軍」を指すと考察。結果、「動かない敵軍」と解読。

・「山」は、其七4-2①「山」で記述された「奇策部隊が動かず静止したまま存在に気付かれない様子はまるで高くそびえた山の存在に注目する人がいない様子に等しい」の教えを積み上げていると解釈。結果、「山のように静止したまま動かず隠れている奇策部隊」と解読。

<④について>
・「之」は、②「之」の「敵軍」を指示する代名詞と解読。⑤も同様に解読。

・「山」は、③「山」同様に「山のように静止したまま動かず隠れている奇策部隊」と解釈。冗長にならないように「奇策部隊」と簡潔に解読。⑤⑥⑦も同様に解読。

・「山を恒くする」は、「山」を「奇策部隊」と解釈すれば“隠れる奇策部隊を広く植える”となる。これは幅広い範囲に奇策部隊を配置して隠れさせることと考察。結果、「奇策部隊を幅広い範囲に配置して隠れさせる」と解読。

・「然える衛り」の直訳は“火がついた守備兵”となる。これは①「然えて衛る者」等の「火災のようにどんどん攻め込む正攻法部隊」と同意と考察。結果、「火災のようにどんどん攻め込む正攻法部隊」と解読。⑤も同様に解読。

・1つ目と2つ目と3つ目の「則」の“道理”は、③「敵軍の前方部隊を攻めれば後方部隊が援護に来て、敵軍の後方部隊を攻めれば前方部隊が援護に来て、敵軍の真ん中にある本隊を攻めれば前方部隊と後方部隊が揃って援護に来るのである」と記述された蛇の道理を指すと考察。結果、「則なす」で「蛇の道理を働かせる」と解読。

・1つ目と2つ目と3つ目の「撃」の“強奪する”は、奇正の戦術によって獲物となった敵部隊を攻め取ることと考察。結果、使役形で「奇策部隊に攻め取らせる」と補って解読。

<⑤について>
・2つ目の「撃」の“攻める”は、援護に向かう後方部隊を奇策部隊に攻めさせることと考察。結果、使役形で「奇策部隊に攻めさせる」と補って解読。

・2つ目の「則」の“道理”は、④「則」同様に「則なす」で「蛇の道理を働かせる」と解読。

・「倶」の“連れ立つ”は、話の流れより、自軍の各部隊が前方部隊、後方部隊と競り合いながら敵軍から引き離すことと考察。結果、「引き離す」と言い換えた。

・3つ目の「撃」の“強奪する”は、奇正の戦術によって獲物となった敵部隊を攻め取ることと考察。結果、使役形で「奇策部隊に攻め取らせる」と補って解読。

<⑥について>
・「衛」の“守備兵”は、解読文④⑤の教えに基づけば、敵の正攻法部隊の兵士達であり、前方部隊や後方部隊等の攻め取られる敵部隊を指すと考察できる。結果、「敵部隊」と解読。

・「恒」の“上弦の月がだんだんと満ちてゆく”は、其六6-6①「月には欠ける時期と満ちる時期が有る」及び其六6-6②「奇策部隊には隠れている状態と出撃している状態が有る」、⑤「連続して奇策部隊を出現させる」からの話の流れに基づけば、隠れていた奇策部隊が次々に出現していく様子の喩えと解釈できる。さらに、出現した奇策部隊は獲物となった敵部隊を攻め取る役割であることを踏まえて、「衛りを恒する」で「次々と出現して敵部隊を攻め取る」と補って解読。

・「之」は、「衛」の「敵部隊」を指示する代名詞と解釈。話の流れに合わせて「その敵部隊」と解読。

・1つ目と2つ目と3つ目の「首」の“先頭に立つ人物”は、敵部隊の中で先頭に立つ人物であるため隊長を指すと考察。結果、「隊長」と解読。

・1つ目と2つ目と3つ目の「尾」の“末端”は、「首」の“隊長”との対比で末端の兵士を指すと考察できる。結果、「末端兵士」と補って解読。なお、其一3-2①「人民と下僕はどちらの国が軍事訓練をできているか」や其五5-4③「軍隊の周りに奴隷を束縛することなく配置させて自軍の士気を荒々しい状態に変える技術を使うのである」で記述される奴隷や下僕を指すと考察できる。⑦も同様に解読。

・1つ目と2つ目の「至」の“来る”は、前方部隊や後方部隊が攻められた場所に援護しに行くことと考察。結果、「援護に来る」と補って解読。

・1つ目と2つ目の「則」の“道理”は、④「則」同様に解釈。結果、「則なす」で「蛇の道理を働かせる」と解読。

・1つ目と2つ目と3つ目の「撃」の“強奪する”は、④「撃」同様に解釈。結果、「攻め取る」と解読。

・「倶」の“連れ立つ”は、⑤「倶」同様に解釈して「引き離す」と解読。⑦も同様に解読。

・「中なる身」の直訳は“普通の地位”となる。これは「首」の“隊長”、「尾」の“末端兵士”の解釈から類推すれば、「一般兵士」と解読できる。⑦⑧も同様に解読。

<⑦について>
・「恒」の“上弦の月がだんだんと満ちてゆく”は、⑥「恒」の「次々と出現して敵部隊を攻め取る」同様に解釈。結果、話の流れに合わせて「恒する者」で「次々と出現して攻め取った敵兵達」と解読。

・「之」の“彼”は、攻め取った敵兵達を寝返らせる文意であるため、其十二2-2①「生きたまま敵を取得する間者」を指すと考察できる。結果、「生きたまま敵を取得する間者」と解読。

・1つ目と3つ目の「首」の“先頭に立つ人物”は、敵部隊の中で先頭に立つ人物であるため隊長を指すと考察。結果、「隊長」と解読。

・1つ目と2つ目と3つ目の「撃」の“断ち切る”は、攻め取った敵兵達に敵国を裏切らせて自国に寝返らせることと考察。結果、「自国に寝返る」と解読。⑧も同様に解読。

・2つ目の「至」の“極点”は、末端兵士から寝返らせていった時に辿り着く敵部隊内の極点であるため隊長を指すと解釈できる。結果、「隊長」と解読。

<⑧について>
・「衛」の“守備兵”は、⑦「攻め取った敵兵達」を指すと考察。結果、「攻め取った敵兵達」と解読。

・「恒」の“持続させる”は、「攻め取った敵兵達」が敵国への服従を持続することと考察。結果、「敵国に服従し続ける」と解読。

・「之」は、⑦「之」の「生きたまま敵を取得する間者」を指示する代名詞と解釈。結果、「生きたまま敵を取得する間者」と解読。

・「山」の“陸地の隆起し高くそびえたった所(山)”は、敵国に服従し続ける敵兵の心が山のように動かないことと考察できる。結果、「その敵兵の心は山のように動かない」と解読。

・1つ目と2つ目と3つ目の「其」は、「者」の「敵国に服従し続ける敵兵」を指示する代名詞と解読。

・1つ目と2つ目の「首」の“先頭に立つ人物”は、敵部隊の中で先頭に立つ人物であるため隊長を指すと考察。結果、「隊長」と解読。

・「至る尾」の直訳は“達する終わり”となる。これは其一2-2④「中国全土を統一すれば戦争が無くなる意義」を指すと推察できる。結果、「戦争が無くなる意義」と解読。

・2つ目の「尾」の“末端”は、「首」の“隊長”との対比で末端の兵士を指すと考察できる。結果、「末端兵士」と補って解読。

・2つ目と3つ目の「則」の“決まり”は、其九6-1⑥「令」の「真心のある法規や決まり」を指すと考察。結果、「真心のある法規や決まり」と補って解読。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。